海外向けに動画を展開する際、翻訳会社にどこまで依頼できるのか迷う方は少なくありません。映像ローカライズは動画本編だけでなく、Webサイトやアプリ、営業資料まで幅広い対応が可能です。一方で字幕・テロップ・吹き替えにはそれぞれ特有の注意点があり、事前に把握しておかないと想定外のトラブルにつながることがあります。
ここでは、手法ごとの注意点や外注先選択のポイントを紹介します。
映像ローカライズと聞くと動画本編の翻訳だけをイメージしがちですが、実際には周辺のコンテンツまでまとめて依頼できるケースが多くあります。代表的な対象は以下の4つです。
・映像・動画コンテンツ
PR動画、製品デモ、マニュアル動画、社内研修用動画など
・Webサイト・LP・ECサイト
コーポレートサイト、サービスLP、多言語ECページのUI・商品説明など
・アプリ・Webサービス・ゲームUI
システム内のボタン名、エラーメッセージ、ヘルプセンター(ヘルプドキュメント)
・営業資料・ホワイトペーパー・マニュアル
提案書、IR資料、製品仕様書、取扱説明書など
動画単体ではなく、関連するWeb・アプリ・資料をまとめて依頼すると、表記や用語の統一もしやすくなります。
映像ローカライズには主に3つの手法があり、それぞれコストや制作期間、視聴者に与える印象が異なります。動画の目的や予算、公開先の国・地域に応じて使い分けることが重要です。
映像の下部に翻訳したテキストを表示する方法です。原音をそのまま活かせるため話者の声のトーンや間合いが伝わりやすく、収録し直す必要がない分制作コストを抑えやすいのが特徴。SNS向けの短尺動画やセミナー映像、多言語への展開を想定している動画、コストを抑えたい場合に向いています。
画面内に表示されている元のテロップや図解テキストを、翻訳後のテキストに差し替える方法です。サービス紹介動画やチュートリアル、PR動画など、画面内の文字情報が多いコンテンツで必要になります。単なる翻訳ではなく、デザインとの整合性を保つ調整作業もあわせて発生します。
声優やナレーターが翻訳後の音声を新たに録音し、原音と差し替える方法です。視聴者は字幕を読む必要がなく映像そのものに集中しやすいため、没入感が求められる映像に適しています。研修動画やプロモーション映像、アニメ・教育コンテンツなどで採用されることの多い手法です。
同じ映像ローカライズでも、手法ごとに気をつけるべきポイントは大きく異なります。仕上がりを見てから修正するとコストがかさむため、外注前にトラブルが起きやすい箇所を押さえておきましょう。
日本語の字幕は「1秒あたり4文字以内」を目安にするのが基本的なルールとされています。行数は2行以内、1行あたり13文字前後に収めるのが一般的です。意味の区切りで改行することも、読みやすさを左右する重要なポイントです。
翻訳後にテキストが元のデザイン枠に収まらず、レイアウトが崩れることがあります。対象言語で読みやすいフォントの選定も必要です。また、Premiere ProやAfter Effectsなどの編集用プロジェクトファイルがないと、打ち直し作業のコストが跳ね上がります。これらの動画編集ファイルの有無の確認も必ずしておきましょう。
原語と訳語では話す長さが異なるため、原音の尺(秒数)に合わせて訳文を調整する「尺合わせ」が必須です。話者の口が映る場面では、口の動きと音の終わりを近づける工夫も行われます。加えて、ターゲット層に合った性別・年代・声質の声優選定も欠かせません。可能な限り自然な吹き替えが要求されます。
字幕・テロップ・吹き替えのいずれの手法でも、単なる直訳ではなく現地の文化に配慮した表現への調整が欠かせません。国や地域によって適切な言い回し、比喩、慣習が異なるためです。あわせて用語集(グロッサリー)やスタイルガイドを事前に作成しておくと、複数の担当者が関わる場合でも表記のばらつきを防ぎやすくなります。
映像ローカライズの外注先を選ぶ際は、次の3点を確認しておくと安心です。
・ワンストップ対応ができるか
翻訳だけでなく、動画編集や音響エンジニアリングまで一括で対応できるかを確認しましょう。
・ネイティブチェック、品質管理体制の有無
訳文の自然さを保つためのチェック体制が整っているかどうかもポイントです。
・対応実績
同業種や映像翻訳分野での実績があるかどうかを事前に確認しておくと、認識のズレを防ぎやすくなります。
映像ローカライズの成否を分けるのは、翻訳の正確さだけではありません。字幕・テロップ・吹き替えという手法ごとの編集ノウハウを持つ会社に依頼できるかどうかが、仕上がりの質を大きく左右します。「自社動画のローカライズ費用を知りたい」「まずは対応可否を相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。