アニメにおいて海外展開を考えている場合には、ローカライズは避けて通れないプロセスです。こちらの記事では、アニメのローカライズについて解説。その重要性や人気の言語、ローカライズの成功例やうまくいかなかった事例などを紹介しています。
日本国内向けとして制作されたアニメ作品を、海外の視聴者向けに再構成することを「アニメのローカライズ」といいます。どの国に向けてそのアニメを届けるかにより、国の言語や文化を考慮しながらキャラクターの名前や設定、セリフなどの調整を行います。
ローカライズは単純にセリフの翻訳を行うだけではなく、例えば日本特有の文化がそのアニメに登場する場合など、海外で見ている視聴者が作品を自然に楽しめるように補足するための説明を加える、他の表現に置き換えるといったことも行われます。
アニメ業界において、ローカライズは非常に重要な役割を持っています。
これは、近年アニメ市場が世界的な広がりを見せているため。主にサブスクリプション型の動画配信サービスにより、海外でも多くのファンを獲得しています。しかし、いくら内容が面白いアニメだったとしても、言葉の壁や文化の違いなどがあると、その作品の魅力を十分に伝えられません。
つまりローカライズを進めることによって、世界のアニメファンを獲得できる可能性があるといえます。グローバルなファンを獲得するには、ローカライズは欠かせない要素といえるのです。
アニメのローカライズは、世界のさまざまな言語で行われていますが、特に需要の高い言語としては英語やスペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語などが挙げられています。特にアメリカやイギリスなどをはじめとする英語圏の視聴者向けに広くローカライズされています。
上記のような言語の他にも、韓国語やポルトガル語、ロシア語などさまざまな地域の需要に合わせてローカライズが実施されています。
ローカライズを行う場合には、各言語や地域における文化的な背景、表現方法などへの考慮が非常に重要になってきます。この点に気を配ることによって、より作品への理解が深まり、ファンの獲得につながっていくといえます。
海外展開を行うにあたっては、非常に膨大な翻訳の工程が必要となりますが、元々の作品が持つ世界観を損なわず、それぞれの言語や文化を考慮しながらのローカライズが重要になってきます。
その中では、近年急速に発展しているAI技術をローカライズに用いる動きも見られるようになってきており、海外展開に向けたローカライズを支援する専門組織「AIローカライズセンター」の設立も行われています。
多言語展開が上手くいった、ローカライズの成功事例を紹介します。
アニメ業界において非常に大きい市場といわれている、アメリカ市場での成功事例です。TBSでは2023~2024年に2つのレギュラーの全国放送枠を新設してアニメ事業を拡大していますが、そこで放送された「地縛少年花子くん」のローカライズが行われています。
こちらの作品は原作人気が高かったことに加えて、アメリカのパートナー企業の熱意も非常に高く、支援を受けられたことが大きな成功要因となりました。作品におけるキャラクターが持つ魅力がアニメ化によってたくさんのファンに伝わり、アメリカでも商品化が積極的に進められています。
日本でも長年人気を誇っているアニメ「ドラえもん」をローカライズした事例です。こちらの事例では、2015年にイギリスのキッズチャンネル「Boomerang」にて放送が開始されています。米国版とは視聴者ターゲットが異なるために、現地のニーズに合わせて台本や吹き替えを調整し、「英国用英語版」を制作。欧州地域において新たなファンの獲得に繋げています。
1995年11月に日本で公開された劇場用アニメ映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の事例です。こちらの作品は、1995年の米国VHS販売でも年間1位を記録しており、英語吹き替えのほかにもリニューアル版が制作されています。また、さまざまなデジタル配信プラットフォームでも長年愛され続けている点も特徴。サイバーパンク文化との相性も良いことからも、海外のファン層を拡大しています。
これらの事例から、ターゲットとなる市場の文化や言語に合わせたローカライズが、ゲームの国際的な成功において重要な役割を果たすことがわかります。
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現在世界的に人気を集めている鬼滅の刃の英語版において、日本特有の文化背景が一部の英語圏視聴者に対しうまく伝わらなかった部分があり、誤解や違和感が生じるシーンがあった、と指摘されました。このケースでは、細かいニュアンスや敬語表現における訳し方が不十分であった、と評価されています。
上記のように、日本特有の文化的な背景などがアニメの内容に含まれる場合には、より適切な翻訳を行うことが重要であるといえます。もし不適切なローカライズが行われた場合には、意味が通じないばかりか誤解を生んでしまい、作品の魅力を伝えられないという状況も考えられます。
ローカライズ会社を選ぶ際には、以下のポイントを考慮します。
これらのポイントを踏まえ、信頼できるローカライズパートナーを選定することで、アニメの国際的な成功に繋げることができます。
こちらの記事では、アニメのローカライズについて紹介してきました。近年、世界的にアニメの人気が広がっていることを考えると、ローカライズは非常に重要な作業であるといえます。自社のニーズに合った信頼できるローカライズ会社を選ぶことによって、海外のファン獲得につなげられます。