アプリケーションやソフトウェアを海外に展開したいと考えている企業に向けて、ローカライズサービスの重要性を解説しています。ローカライズ会社の選び方やアプリケーションのローカライズ成功事例も掲載しているので、参考にしてみてください。
アプリケーションローカライズとは、海外版のアプリケーションを日本人が使いやすいようにローカライズしたり、日本のアプリケーションを海外版にカスタマイズしたりする取り組みのこと。
たとえば、通貨や日付の表記を現地仕様に変更したり、UIのデザインを調整したり、アプリケーションを使用する国の言語・文化・法律に適応させる取り組み全般を差します。
単に言葉を置き変えるのではなく、「現地のユーザーにとって自然に使えるアプリ」を作る。それがアプリケーションローカライズです。
App Storeの「トップアプリランキング 2024(日本版)」にて、1位に輝いたのはTikTok Lite(中国発)、2位はTemu(中国発)、3位はThreads(アメリカ発)でした。ランキングの結果を踏まえると、開発国がどこかは関係なく、きちんとローカライズされたアプリはグローバル市場で成功していると分かります。
日本で人気のアプリをそのまま海外展開しても「UIが直感的でない」「通貨や法律が違う」などの理由で受け入れられません。逆に、現地のニーズに合わせたローカライズを行えば、競争力は大幅にアップします。
単にテキストを別の言語に置き換えるのが翻訳。ローカライズは文化やユーザー体験まで考慮して、アプリ全体を最適化するプロセスを指します。つまり、翻訳はローカライズの施策の一つということ。
たとえば、日本の「OK」ボタンを海外向けに変更する場合、英語圏では「Confirm」、中国では「確定」、ドイツでは「Bestätigen」などの表現が自然です。直訳せず、こうした微調整を行うことでユーザーの違和感をなくし、スムーズな利用につなげます。
アプリケーションのローカライズを成功させるには、適切なパートナー選びが重要です。まずは、アプリケーションを展開したい国の文化に精通しているか確認しましょう。
次に、アプリケーションローカライズの実績をチェック。成功事例が多い企業ほど、スムーズな対応が期待できます。
最後に、コミュニケーション力も大切です。ローカライズは細かい調整が多いため、柔軟に対応してくれる会社を選びましょう。
メルカリは2013年に設立された日本の企業。主にフリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用を行っています。ここでは米国事業におけるローカライズの内容を見ていきましょう。
米国事業のCEO・ラーゲリン氏によると「アメリカ人は面倒くさがり屋で、仕事が忙しい人も多い」とのこと。アメリカの市場に応じた独自サービスを展開し、できるだけ簡単に発送できる環境を整える必要がありました。
アメリカ独自の機能を拡充した結果、2020年6月期第4四半期における米国事業の流通取引額は6億8,100万ドルを達成。2020年6月期第4四半期の月間アクティブユーザーは420万人超えという成果を上げています。
Netflixは、1997年にリード・ヘイスティングスとマーク・ランドルフによって設立されたアメリカのビデオ・オン・デマンド・ストリーミング・サービスです。当初はDVDの郵送レンタルサービスとしてスタートし、2007年にストリーミングサービスを開始しました。
Netflixはグローバル展開を進める中で、各国の視聴者に適切なコンテンツを提供するために、言語や文化の壁を越える必要がありました。
上記の施策を実施した結果、Netflixの加入者数は世界位的に増加。2024年12月末時点で世界全体の有料会員数は3億人を超えています。
LINEは、無料通話やメッセージングサービスを提供する韓国発のメッセージアプリで、世界中で広く利用されています。特に東南アジア市場への進出に力を入れており、その中でもタイでの成功は顕著です。
LINEはタイとの相性が良く、リリース当初から急速な広がりを見せていました。大規模なマーケティング・ローカライズを実施することになったのは、更なるユーザー獲得・アクティブ率向上が期待されたためです。
上記を実施した結果、タイのLINEユーザー数は5,300万人まで増加しました(2022年9月末時点)。これはタイの総人口の約8割にあたる計算です。
ターゲットとなる国や地域のユーザーの文化、習慣、価値観を深く理解することが大切です。言葉だけでなく、アイコン、色、イメージの解釈も国によって異なります。
日本でよく使用される顔文字が、他国では意味が伝わらないということも珍しくありません。ユーザーが違和感なく使えるように、対象国にとって馴染み深く使いやすいデザインを意識しましょう。
文化や言語のニュアンスを理解した翻訳者が監修することで、自然な言葉遣いや表現が可能になります。例えば、アメリカ向けのアプリではカジュアルな表現を使い、ドイツ向けのアプリではフォーマルな語調を選ぶなど、国によって適切な調整が必要です。
また、日本語の文章は他言語よりも短く、英語やフランス語に翻訳すると文字数が増える傾向にあります。反対に、中国語は文字数が少なくても意味が通じるため、翻訳するとスペースが余ることも。そのため、翻訳後のテキスト増減量に合わせて、こまかなレイアウト調整・UI設計が必要です。
アプリのテキストや画像をプログラムのコード内に直接埋め込むのではなく、外部ファイルとして管理する方法(Externalization)を採用すると、アプリの機能追加や修正作業の負担を軽減できます。
また、翻訳データや作業スケジュールをクラウド上で一元管理できる翻訳管理システム(TMS)を活用するのもおすすめ。擬似ローカリゼーション(Pseudo Localization)を行えば、長さの違いによるUIの崩れを事前にチェックできます。
ローカライズは一度やって終わりではなく、継続的な改善が必要です。ユーザーのフィードバックをもとに、言葉のニュアンスやUIの使いやすさを定期的に見直しましょう。現地のトレンドを反映させることで、競争力のあるアプリへと成長できます。
また、アップデートごとに新しい機能が追加されるアプリの場合、ローカライズの対応漏れがないように注意が必要です。
アプリストアの検索で上位表示を狙うなら、ASO施策(アプリストア最適化)が必要です。ターゲットが検索すると思われるキーワードを設定し、タイトルや説明文にそのキーワードを含めることで、上位表示を狙います。
また、アプリストアに掲載するスクリーンショットや動画、URLなどもローカライズしましょう。スクリーンショットに写り込んでいる通貨や日付の形式、計測単位にいたるまで、国に合わせてカスタマイズすることが大切です。
ローカライズにはコストがかかるため、どこにリソースを割くべきか見極めることから始めましょう。すべての言語に対応するのではなく、ROI(投資対効果)を考え、優先度の高い国から順にローカライズする戦略を立てるのが賢い選択。
また、自社で対応する作業範囲とローカライズ会社に依頼する作業範囲を明確にし、事前に予算計画を立てたうえでコストを正しく管理することが大切です。
インターネットやオンライン取引における法律は国によって異なるもの。例えば、EUのGDPR(一般データ保護規則)や中国のサイバーセキュリティ法など、地域ごとに異なるデータ保護規制に対応する必要があります。
また、アプリストアでの公開基準も国によって違うため、事前に法規制を確認しておくことが大切です。
企業の目標やローカライズの対象によって細かい対応は異なりますが、ここではアプリケーションローカライズの基本的なプロセスをまとめています。
アプリケーションローカライズを実施する際に直面しやすい課題と、その解決策をまとめました。
| 表現の違和感 | ネイティブの翻訳監修を受ける 対象文化に精通した翻訳者を起用する |
|---|---|
| 文字化けや表示の不具合が発生 | 言語ごとに適切なフォントを選定する 多言語対応フォントを使用する |
| UIのレイアウト崩れ | 翻訳によるテキストの増減を考慮 擬似ローカリゼーションで事前確認 |
| アプリストアでの 検索順位が低い |
国ごとの検索トレンドを分析 アプリストア最適化(ASO)を実施 |
世界的な人気を誇るアプリケーションとなるには、ローカライズが欠かせません。対応言語はもちろん、アプリの使用目的、求められるUIや情報量、よく利用されるアプリストアなどは国によって異なるもの。そのため、ジャンルや目的にあわせて依頼する企業を選定することが大切です。
このサイトはアプリ・ソフトウェア向けに、翻訳サービスを展開・対応しているローカライズ会社について紹介しています。企業選定のご参考にしてみてはいかがでしょうか。